空間的狼少年

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3

ファイの家は黒鋼のマンションと正反対の方向にあった。
普段は乗らない電車に乗って全然知らない風景の中をふたりで歩いた。
明るい街だった。
車の通りも多いし、飲食店が多いせいかたくさんの食べ物のにおいが混じりあってそこらじゅうに漂っている。

「ここね、ここのお店、ハワイアンなんだよ」

「ハワイアン?」

「商品が。雑貨屋さんで、海っぽいの」

昨日は渋っている風だったのに、黒鋼を連れて自宅に向かうファイはとても楽しそうで、あっちこっちと指差して黒鋼に店を紹介した。
ファイは普段からよく喋る男だが、今夜はやけに饒舌だ。
電車を降りてからの道のりは、大通りを通るので明るくうるさかった。
毎日ファイはこの道を通って通勤しているのかと考えると不思議と気分が高揚した。

「あれぇ? ここ、道あったんだ。もしかしてここ通った方が駅に近いのかな」

ファイは見慣れているはずの帰途を、久々に通る道であるかのように様々な発見をしては黒鋼に報告した。
その様子はやっぱり子供のようだ。

「おまえ、毎日この道通ってるんだろ」

「うん。でも、ひとりじゃ周りなんて見て歩かないし」

ファイは空き地のすみに生えていた、たんぽぽの綿毛を息で吹き飛ばした。
本当ならもっと早く着いていただろう彼の家は黒鋼の住むマンションとそう変わりない、無機質な箱だった。
ここに見ず知らずの人間たちが大勢住んでいる。
こういう集合体が問題視もされずに自然と存在するのは不気味なことだ。
一応は掃除したんだけど、という前置きを受けて通された部屋は、一応なんてものではないほど整理されていた。
塵ひとつ落ちていないフローリングに、新品のようなリビングのソファ、棚にあるものも全てきれいに整頓されている。
テレビのCMにでも出てきそうな部屋だ。

「何か飲むもの持ってくるけど、何がいい?」

「なんでも」

「じゃ、とりあえずビールね」

飲み会ではいつも黒鋼と同様、ファイはどれだけ飲んでも酔わない部類に入っていた。
違うのは、黒鋼はカクテルなどの甘い酒は飲まないが、ファイは好き嫌いなく何でも飲むというところだった。
やわらかい、青いソファに腰掛けた黒鋼は透明のガラステーブルに買ってきたつまみをいくつか出しておいた。 
ビールを手に戻ってきたファイがそれを見て、気を遣わなくていいのにと遠慮したが、人の家に来るのに手ぶらというわけにもいかない。
親しい間柄なら、まだしも。
ファイは黒鋼の隣に座った。
黒鋼はしまったと思ったが、いまさらソファから降りて正面の床へ移動するのも不自然だし、かといって家主を床に座らせるわけにもいかない。
近すぎる距離は必ず判断を誤らせる。気をつけなければならない。

「それで、人形だっけー?」

黒鋼に缶のビールを渡し、ファイは自分の缶のプルタブに白く細い指をかけた。
この位置からだと桜貝のような爪までよく見えてしまう。
なるべく隣を見ないようにしながら黒鋼も本題に移ることにした。
今夜はただ同僚と飲みに来たわけではないのだ。

「人形が動くって言ったけど、オレは実際に見たわけじゃないんだ。
ただ、寝てるあいだに動いてる気がするっていうだけ。
歌にあるような、おもちゃの箱から飛び出して、みたいな。
しかも話し声まで聞こえるの! 内容はわかんないんだけど。会議でもしてるのかなー?
でも、オレが起きたら全部もとの場所に戻っちゃってるんだよねー」

黒鋼が持ってきたカシューナッツをつまんでファイは語る。

「みんなそれぞれ、声も喋り方も意見も違うの。夢とか幻聴じゃなくて、ちゃんと聞こえるの。
おかしいよね。うん、おかしいのはわかってるんだけど。
人形が動くかって聞いた黒様のことを馬鹿にしたばっかりなのに。
でも、本当に動くし、喋るんだよ。誰にも言ったことないけど、黒りんは信じてくれる?」

ファイはちゃぷんと缶を振って音を鳴らした。
黒鋼よりも少しだけ背の低いファイが恐る恐る黒鋼を見上げる。
彼は蒼い瞳をしていた。それは以前から知っていたけれど、本当に知ったのは、ごくごく最近なのだろう。
黒鋼が無言でうなずくと、ファイは安心したように肩の力を抜いた。
そもそもの目的として動く人形を見に来たというのに、何を不安がることがあるだろうか。
現に黒鋼の家では今でもおそらく、うさぎがてくてく歩き回っているに違いない。
人形は動く。それはもう、否定のしようがない事実だ。

「しかし、おかしいんじゃないのか。このあいだ、人形はおまえの意志で動くと言っていただろう。
それなのに人形がどんな風に動いているのか、おまえは知らないのか?」

するめの袋を開ける。海のにおいがする。深海のにおいだ。
その指摘にファイは難しい顔をした。

「意志ってね、たぶん、ふたつあるんだ。たとえば仕事中に眠いって思っても、寝ちゃいけないでしょ?
でも眠いって思ってるのもオレだし、寝ちゃダメって思ってるのもオレ。
人形が動く意志は眠いって思うときの意志なんだ。だからどうしようもないんだよねー」

「なんで動くのか、わからないのか?」

「んんー」

ファイは曖昧に笑ってビールを飲んだ。
答えたくないようだからそれ以上は聞かなかったが、眠気と同じようにして、換言すれば本能として、人形が動くというのなら、それはファイが生きるために必要なことということになる。
それほどまでに大事なことなのだろうか。
黒鋼は毎日うさぎが動くことに辟易しているというのに、それほどに、無意識の意志が働くほどに、人形が大切なのだろうか。
しかし、そういえば、ここから見えるどこにも問題の人形はない。

「それで、その人形はどこにあるんだ?」

詮索されないことに安心したらしいファイはするめをかじって、寝室にあるよと部屋を指差した。
見たいなら案内すると言うのでついて行くと、寝室にはおもちゃ屋のように人形が詰め込まれていた。

「寝室っつーか、人形部屋だな」

「あはは、確かに」

整理はされているのだが、様々な人形が棚、床、ベッドの上、置けるところならどこにでも置いてあるため、寝室はとても狭く感じた。
ベージュのカーペットに転がっていた黒猫のぬいぐるみを拾ってファイは黒鋼の鼻の先に突きつけた。

「これがタマ」

「名前つけてんのかよ」

「全部にあるよ、名前」

ファイは棚に並ぶぬいぐるみを右から順番に指した。

「狸のポコちゃん。狐のドミノ。牛のモーちゃんに、河童のトック。熊の小太郎」

そして床に置かれたものも、同様にひとつずつ紹介した。
白熊、犬、狼、イルカ、エビ、イモムシ。動物ではないものもあった。大根とか、枝豆とか、にんじんとか。
ベッドにあるものもファイは名前を呼んだ。
人形というよりはぬいぐるみの方が多いようだが、昔、絵本で見たとおりのすずの兵隊やフランス人形、博物館にでも置いてありそうな民族的な木彫りなんかもあった。
一通り見える範囲だけ紹介し終えたファイはベッドに腰掛けて、細長い虎のぬいぐるみを抱えた。
その隣には四角くて白いなんだかよくわからないものがある。

「それは何だ?」

「これは豆腐。絹子さんっていうの」

絹ごし豆腐なのか。

「人形、どんな風に動くんだ?」

「よくわかんないけど、夜中に、部屋のまんなかに集まってお話してるみたい。
追いかけっこしたりして遊んでる子もいるよ」

これらが全て動いたとしたら相当の物音がするだろうに、ファイは起きないのだろうか。
わからないと言うことは起きないのだろうけれど、それもまた、意志によるものなのだろうか。
意志で動くというのはつまり、操り人形のようなものをイメージすればいいのだろう。
糸のない操り人形だ。ならばそれは本当に操っていると言えるのだろうか。
黒鋼が人形の数々を見渡して考え込んでいると、ファイがそっと黒鋼の服のすそを引いた。
ベッドに深く腰掛けうつむくファイを見下ろすと、虎を抱く腕にさらに力をこめた。

「気持ち悪い?」

気分のことを問われているのかと思い、自分はそんなにも顔色が悪いのかと驚いたが、すぐにそうではないと気付いた。
気付いて、慌ててそんなことはないと言ったが、ファイは顔を上げなかった。

「気持ち悪いよね。正直に言っていいよ」

「だから、そんなこと思ってない」

「ほんとに?」

「あぁ」

意外には思った。けれど悪い印象はまったく抱かなかった。
人形集めなんてそんなに変わった趣味でもないし、ファイはただ寂しいからという理由で人形を集めているだけだ。
人形に性的魅力を見出すような変態性欲の持ち主でもない。むしろ、子供のような感性の持ち主だ。
そうだ、ファイは大人の格好をしている子供なのだ。
だから人形が動いたり喋ったり、普通では考えられないことが彼の周りで起こる。
あり得ないことを否定しきることができない子供なのだろう。
でも、それならなぜ自分のもとにあるうさぎも動くのだろう。
黒鋼はもう十分に大人で、ファイのような子供らしさなんてこれっぽっちも持ち合わせていないというのに。
人形は動かない。動くためには動かす力が必要なのだ、だから人形は動かない。
それなのにうさぎは動く。

「なぁ、この部屋見た他の奴は、おまえに何か言ったのか?」

「なにか?」

「誰かに何か言われたから、気にしてるのかと」

ファイは苦笑して虎の頭をなでた。
人形が動く原因をファイが力として持っていて、その何かしらの影響を黒鋼も受けているために、あのうさぎも動いているのではないかと黒鋼は推測した。
もし他にファイとかかわりを持ったり、この部屋を訪れたりした誰かがいたとしたら、同じような体験をしているのではと考えて質問したのだったが、ファイは黒鋼の推測を無意味なものにした。

「ううん。部屋に人を呼んだのは、黒たんがはじめて」

指先で虎の耳をいじる。

「嫌なんだ、人を呼ぶの。オレ、寂しがりやだから。
誰かを招いてこの部屋で楽しい思いをしちゃったら、次の日、部屋にその人がいないのって、悲しいから」

わかる? とファイは首をかしげてみせたが、黒鋼にはよくわからない感覚だった。
言っていることはわかる。でも黒鋼には理解しがたい孤独だった。

「だから、明日、オレは寂しいの。今日は黒みーがここにいてくれてるのに、明日はひとりぼっち。
明日の帰り道、昨日は一緒だったのにって考えるんだ、明るい道で。
玄関を開けて脱ぐ靴がひとつなのを見て、リビングでひとりでお酒を飲んで、寝室でひとりで人形に囲まれて。
今日のことを思い出して、寂しく、なるの」

ファイは黒鋼を見上げて笑った。寂しいと言っているのになぜ笑うのか黒鋼にはわからなかった。
ファイに関することはわからないことばかりだ。
一番わからないのは、それでもファイを知ろうとする自分の行動なのだけれども。

「なら、どうして俺を家にあげたんだ?」

「……そろそろ終電なくなるよ」

壁掛け時計を見やってファイが言った。
ファイは中途半端な秘密主義者だ。
秘密を少しだけ見せておいて、それを暴こうとすればするほど、奥へと隠す。
秘密を安易に暴こうものなら、最初からその秘密を無かったことにしてしまう人間だ。
言わせてやりたいことはたくさんある。けれどあせってはいけない。
ファイに見送られて玄関の扉を開ける。
夜の風がゆるやかに流れ込む。

「人形は夜中に動くんだったな?」

「うん、そうだけど……」

「駄目なら断ってくれていい。今週末、泊まりに来ていいか?」

ドアノブを握ったまま尋ねるとファイは目をぱちくりさせて驚いた。
今は河童の人形を抱きしめている。
何かに耐えるように一度だけ目を閉じて、わずかに頬を上気させてファイはうなずいた。

「いいよ。どうせなら夕飯も一緒に食べよう?」

はにかむファイに別れを告げてマンションを出た。
きっかけを得たとか、都合が良いとか、そんなことを考えてはいけない。
目的を動く人形の調査以外に設定してはいけない。
時間の流れの中の、ひとつの出来事として、正しく完了させなければならない。
ひとりで乗る電車に、黒鋼はファイのような孤独を感じたことは一度もない。
しかしこれからもずっとないとは限らない。
近い未来、同じ孤独を共有することになりそうだ。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


黒鋼がファイと初めて会ったのは、入社してしばらく経った夏のことだった。
いつものように食堂で昼食をとっていた黒鋼の正面にファイが座ったのが、最初の接触だった。
そのとき自分は何を食べていたかは忘れたが、ファイはからあげ定食を食べていた。
どうしてそんなどうでもいいことを覚えているかというと、からあげをひとつ、もらったからだった。

「わー、もう時間がないやぁ。ね、君、からあげ好き?」

あとひとつ、からあげを残したところでファイが黒鋼に話しかけた。
特に周りの人間のことなど意識せずに食事していた黒鋼は、こいつは誰だろうということばかりに気を取られ、何も返事ができなかった。
ファイは黒鋼の返事を待たずに「からあげが嫌いな人なんていないよね、あげる」と早口に言うと、黒鋼の皿にからあげをぽいと乗せて席を立った。
ちょっと待てと止める間もなくファイは去って行ってしまった。
誰だろう、ともう一度考えた。
この会社では金髪の外人なんてのは全然珍しくない。
どこかで見たことがあるような気もするし、別の人間だったような気もする。
少しだけ考えて、誰でもいいとすぐに諦めた。
この頃、黒鋼はできるだけ他人との交流は避けようとしていたから、誰だろうとどうでもよかった。
しかしそれから2、3日後にファイは再び黒鋼の前に現れた。
朝礼のあとに声をかけられたのだ。

「黒たん、おはよう」

最初、自分に話しかけているのだと気づかなかった。
が、金髪の男はまっすぐにこちらを見つめている。
瞬きして、自分を指差して首をかしげると、彼はこくりとうなずいた。

「黒鋼、ですけど」

ファイが上司なのか同僚なのか不明だったので敬語を使ったが、ファイは敬語じゃなくていいよと言った。
あとでわかったことだが、ファイは黒鋼よりも年上で、勤務年数も長かった。

「このあいだはごめんね。からあげ、食べた?」

がやがやと自分たちの部署に移動する人たちを避けて廊下の端へ寄った。
黒鋼はそんな雑談なんてしたくなかったが、無視するわけにもいかなかった。
他人とかかわるのは遠慮したいが、面倒ごとになるのはもっと遠慮したい。

「あぁ、食べたが、別に残せば良かったんじゃないのか」

「だめだよー。ユゥイの作ったものだもん。残したくなかったんだー」

「ユゥイ?」

「弟だよ。食堂で働いてるんだ。見たらすぐわかると思うよー。そっくりだからー」

それだけ言うとファイはエレベーターに消えた。
兄弟で同じ会社とは珍しいと思ったが、実際に食堂で見かけたときにそれが双子だと判明し、さらに驚いたものだ。
それからファイは何かと黒鋼に話しかけてくるようになった。
この会社には様々な行事があり、飲み会も頻繁に行われていて、花見やクリスマスなど年間行事も積極的に行っている。
黒鋼はそういった賑やかなイベントを苦手としていたため、あまり乗り気ではなかったのだが、この会社のイベントはなかなか趣向を凝らしたものが多く、社交的な性格でなくとも十分に楽しむことができた。
どこでもいいから就職しようと必死になって受けた会社のひとつだったが、こんなに優良だとは思わなかった。
気軽にいられることができる。
それぞれの持つ能力を最大限に活かすことのできる会社だ。 そしてそんな多くのイベントで、ファイは必ず黒鋼の隣にやってきた。
ファイは黒鋼と違い誰とでも仲が良く、多くの人とかかわろうとするから、どうしてわざわざ寡黙で他人に対して消極的な黒鋼のもとへやってくるのかわからなかった。
その頃からずっと、ファイがわからない。

「黒様と一緒にいると、落ち着くなぁ」

そんなことを言って酒を片手に黒鋼の隣でゆっくり料理を食べた。
ファイは騒がしい男だ。
普段から落ち着きがなくじっとしていないし、常に誰かと話している。
だからこそ、隣で落ち着かれると動揺した。
いつもは何度訂正しても直さないあだ名で黒鋼を呼んで、余計なちょっかいをかけてくるくせに、こんな場になるとある程度周りとはしゃいだ後は黒鋼の隣で落ち着く。
まるでここが定位置だとでも言うような振る舞いに、黒鋼はひどく心を乱された。
ファイは長身だが中性的で、何より、きれいな髪と瞳をしていた。
動くたびにふわふわと振れる金色の糸に触れようと手を伸ばしかけたのは一度や二度のことではなかった。
以前、取引先の会社に向かう社長に警護として付き添ったとき、秘書である知世にこう言われた。

「あなたは昔から無愛想ですし、気遣いのない男ですけれど、ファイさんと一緒にいるときのあなたは、その限りではないのですね」

知世とは遠いけれど親戚関係にある
。知世は率直で言葉を飾らず思いを語る少女だと知っているが、黒鋼には信じられない言葉だった。
いつ、誰といても自分は愛想のない男だ。それがファイであっても変わらないはずだし、変わってはいけないはずだった。
その指摘を受けてから努めてファイには無愛想に接しようとしたのだが、ファイはそんな黒鋼の努力を簡単に払いのけた。
取り繕えない。考える前に言葉が出てしまう。
そのくせファイは決して本心を見せようとはしなかった。
その全てが嘘であるということはないけれども、黒鋼に懐いて、信頼しているような態度を取るくせに、こちらから近づこうとすれば逃げるのだ。
納得がいかない。いらいらする。
でもそれはつまり、嫌になるほどにファイを望んでいるということだった。
だから思い通りにならないファイに、苛立ちを感じる。
黒鋼の帰り道が宇宙になったのもたぶんこの頃からだ。今になってようやく、それがどうしてかわかった。
ファイは何でも信じている。
そうだと言われれば疑うこともせず信じてしまうのだ。
彼は何かを疑えるだけの、自分への信用をひとかけらも持っていないから。
人形が動くことも、夜の闇は身近な宇宙であることも、ファイは言葉のままに信じきっている。
黒鋼も同じ状態になったのは、黒鋼がファイに近づきたいと望んだからだ。
ファイが考えていることを知りたくて、ファイが見ているものを見たくて、また、ファイが見たくないものを見ないようにしたくて。
それならば、もう覚悟を決めなければならない。
これはただの時間の起伏なんかじゃない。ひとつの喜ぶべききっかけで、今を逃せば次はないだろう。
あのたんぽぽみたいな星のかけらを、果たして手に入れることはできるだろうか。


続く